俺様と闘う私『一部・完』
 ―――翌日。


 起きてみると外は雨。



 「うわー……最悪」



 とは思ったものの、契約をした以上、配達に行くしかない。


 昨日と同じように支度をして、今日はTシャツは同じとして、デニムのミニスカートに7分丈のレギンスを合わせてミュールを履いた。


 それを見た母は……



 「うふふ」



 意味の分からない、いやらしい笑みを浮かべていたけど私はあえて無視した。



 なぜスカートか。


 なぜミュールなのか。


 答は「雨」だからだ。


 長靴でもいいけれど、私はミュールの方がいいと思う。


 だって、足は拭けばいいだけだし……


 ズボンはどうしても裾が濡れるけど、スカートはそうそう濡れない。



 ―――っていう理由なんだけど!



 母にはそう見えなかったんだろうなぁ……


 玄関を出て、雨模様の空を見上げて一息吐いた。



 この時、少し身体に違和感を感じた。


 この違和感の理由を早めに察知していれば良かったのに、私はそれに気づかぬふりをして出発した。
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