俺様と闘う私『一部・完』
 「ちょちょちょ、ちょーーっと待って!?」



 呆然として座ったままの私を置いて、スタスタと玄関へ向かって歩く志貴に慌てた。


 ―――いや、だってさ。


 だってね。


 ドレスもそうだけどさ。


 無理矢理私、受け取らされすぎじゃない?


 しかも汚したりもできないし、落とすなんてもってのほかだし!!


 それに何よりも、これ、まさか……私にあげようとしてる、なんてことないよね?


 麗華さん、もらっておけばみたいなこと言ってくれちゃってるけど。



 これは、ありえないってばー!


 私はもう、何に混乱してるか分からないくらいの混乱状態に陥った。



 それなのに、呼びとめた私に奴はしれっとした表情で振り向いただけで。


 で、その状況に割って入ってくれたのは、忘れかけてたけど麗華さん。



 「あっはっは! 理香ちゃんいいわぁあ。私好きよ」



 これまた意味不明発言の後、私を後ろからぎゅっと抱き締めてきた。


 
 「はぉえぇぇーーー!?」


 私は意味不明な雄叫びをあげた。
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