澄んだ空の下で
「なに?」
「お金」
「お金?」
「あたし、アンタからお金を貰う為に手伝ってたんじゃないから」
ほんとに、違うから。
今更思えば、あたしの為にボトルを開けてた様なもんだ。
だから、これはいらない。
「つか、俺は客で行ったんだけど」
「それは分かってるけど」
「むしろ、お前が居るなんて知らなかった。どっちみち払わなきゃいけねーんだし」
「でも、」
「でも?」
「恭から貰ったって思うと、気が引ける」
「……」
「こーやって、今でも普通に話してんのに、おかしいよね?」
「これは、これだろ。場所っつーもんが違うし。じゃ、金受け取っからここには来るなって言ったら?」
そうサラっと口を開く恭に思わず眉が寄る。
「それ、せこいよ」
「んじゃ、受け取らねー」
柔らかく口角を上げた恭は何だか面白そうで、あたしはため息を吐き捨てた。
これ以上、話しすら難しいと思ったあたしは鞄の中に無造作に突っ込み、フェンスに背をつけてしゃがみ込む。