澄んだ空の下で

暫く沈黙が続いた。

なにも話す事ゆっくりと時間を刻む。


だけど、その沈黙を破ったのは微かなメロディーだった。


だから咄嗟に顔が上がる。視線を恭に向けると、ポケットから取り出しスマホを耳にあてた。


「…――はい。…あー…悪い、今行けねーわ――…」


恭の声を耳にしながらボンヤリとその姿を見てた。


そしてふと浮かんだこの前の出来事。

恭は女の人とキスをしてた。思い出したくもないのに脳裏を過る。


あれは本当に恭だったのか、と今でも思う。

目の前の恭を見る限り、そんな感じすらしないのに。


でも、美奈子が遊んでるって、そう…言ってたから。


話し終えた携帯を寝転んだまま恭は見つめてた。


「…行かなくて、いいの?」


彼女でしょ?なんて言葉は喉の奥に押し込んで、小さく呟く。

なんとなく女の直感ってものを働かせた。


きっと、女だろうと言う予感。


こんな端正な顔をして、居ない方がおかしい…


「別に、どーでもいい」

「何で?急用かもしれないじゃん」

「は?」


つい、余計な言葉を口出してしまった。


だって、何で行かないのって?

女の子、きっと会いたがってる。って…


そんなどうでもいいあたしの妄想が頭ん中を支配してた。



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