澄んだ空の下で

「あ、ごめん。なんでもない」

「…面倒くせーから」

「え?」

「だから行くのが面倒くせーって、」

「…そっか」



それを言われちゃ、もう何も言えない。

口を閉ざして少し俯く。


何でか知んないけど、思い出したくもないのに次々と過っていく恭の事。


どうしてこんな事を気にしてるのだとか、なんでそんな事を思っているのだとか、それさえも分からない自分に少し苛立ちを覚える。


その苛立ちを少しでも紛らわそうと、深く深呼吸をし空を仰いだ。


ゆっくりと、ゆっくりと流れて行く雲が気持ちよさそうで、その隙間から青空が見える。

刻々と時間が過ぎて行く中で、何気に過ごす毎日が過ぎて行く。


「…梅雨、だよね」

「え?」


不意に口を開いた言葉に恭が反応する。


「いや、もうすぐ梅雨だなーって」

「だな」

「居場所、なくなっちゃうね」


後、何日もすれば青空がなくなって黒い雲に包まれる日々がやってくる。

それだけで、うんざりなのに。






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