澄んだ空の下で

「いいからとりあえずこっちに来い」

「いやっ、」


小さく呟きゆっくりと首を振る。


「だったら――…」

「お願い来ないでーっ!!」


俯いたまま必死に叫んだ。

壊れるくらいにそう叫んだ。


それと同時に零れ落ちる涙。

そして徐々に震えだす身体。


男の人に触れられる事が、怖かった。

それが目の前に居る恭でも、今は怖かった。

カシャリとフェンスにしがみ付き、そのまま腰を下ろしてしゃがみ込む。


「…若菜、とりあえずここに来い」

「……」

「お前に、触れねーからここに来い」

「……」


恭は案外鋭かったりもする。

小刻みに震えてる所為か、恭は事情を把握したかのようにそう言った。


だけど、身体なんてそう簡単に動く訳でもなく、刻々と時間が過ぎる。


その刻んでいく時間に、更にあたしは恐怖感を抱いていた。



…薬が、ほしい。



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