澄んだ空の下で
だけど、そんな事あたしの口から言えない。
怖くて、怖くて、何も言えない。
「…お前が、ここに来なかったら俺がそっちに行く」
「……っ、」
「それでもいいのかよ」
「……」
再び早打ちをする心臓。
ドクドクと素早いのが、物凄く身体で感じる。
未だに降っている小雨は冷たく、肌を更に冷たくしてた。
「そこに居てどーすんの?」
「……」
「死ぬ気かよ」
「……」
「それでお前は満足?」
「……」
「何も言わなくていい。だから、せめてこっちに来い」
何をどう思ったのかは分からない。
暫くして、あたしは立ち上がりフェンスを越えてた。
そして少し離れた所にいる恭から更に離れる為に少し後ずさる。
カシャっとフェンスに背をつけたあたしは、俯いて両腕で身体を抱きしめた。