澄んだ空の下で

…――――

もがく暗闇からどうしても抜け出せなかった。

苦しくて、苦しくて。

切ないこの感情が、あたしを取り乱してた。


「……っ、」


寝がえりを打った瞬間、視界に飛び込んできたのは、無駄に広い空間。

視線をゆっくりと動かす先に見えるのは、無駄にデカイテレビ。


そしてガラステーブルのみだった。


真っ白なシーツに身を包んでるあたし。

その状況がイマイチ良く分からなかった。


シーツを剥ぎとり、視線を下に落とす。


「…え?」


淡いピンクのパジャマ姿の自分に、混乱する。


「…っ、」


ズキンと痛むこめかみに手で擦る。

ゆっくりと、ゆっくりと擦りながら記憶を戻そうとした瞬間、


「…うそっ、」


舞い戻った記憶に血の気が引いた。


バサッと勢いよく剥ぎ取る真っ白なシーツ。

混乱しながら部屋の扉を開く。


自棄に長い廊下を突き抜けて、その奥のドアに手を掛け開いた瞬間、


「お目覚めになりましたか?」


そう言って、見た事もない女性が声を掛けてきた。



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