澄んだ空の下で
「おはようございます。…あの、もう大丈夫なので帰ります」
「えっ、でも恭様が風邪の体調がよくなってからと、」
「…風邪?」
そっか、言えるわけないよね。
「はい。無理してたんじゃいですか?私は構わないので、ごゆっくりなされたほうが…」
「いえ。母も心配するので帰ります。すみません…」
軽く頭を下げると同時に、母が心配などする訳がない。と言う、思ういが湧き上がる。
だけど、これ以上、ここで迷惑をかけれない為にも、こー言うしかなかった。
「それなら大丈夫ですよ。ご連絡ならさし上げております」
「…え?」
「ゴメンなさいね。お友達の母として偽ってしまったのですが、」
「あ、いえ…」
そっか、恭はあたしのマンションを知っている。
調べようと思えば簡単な事。
でも、なんでここまでしてまで、あたしを?
「だから――…」
「あ、すみませんでした。でも帰ります」
「そうですか、」
原田さんはちょっと心配そうな笑みを漏らすと、軽く頷く。
「お世話になりました」
「いえ、わたくしは何も…」
軽くお辞儀をしたあたしは、すぐにさっきまで居た寝室へと向かった。