僕の可愛いお姫様
「あぁーっと…大事な話?それなら大人しく帰るけど?」

私の前に瑞穂、その二人のサイドに立つ位置に回って、泉は瑞穂に訊いた。
「瑞穂の意志を尊重する」と言っている。
だけど有無を言わせない、といった、もっと強い意志が、泉からは溢れている。

こんな泉を見るのは初めてだった。
少し…怖かった。

「…いや、もう話済んだから。」

瑞穂の態度はいつもと変わらない。
至って冷静に、瑞穂はそう言った。

「そ。じゃあ、中入ろうか?」

瑞穂にバイバイも言う隙も与えられないまま、手を引かれる。

泉は解っているんだ。
いくら親友でも、個室で男性と二人きりになるような状況を、私は作らない。
私は、瑞穂を自室に招かない。

だけど自分は違う。
そう伝えたそうに、泉は強く、私の手を引いていた。
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