僕の可愛いお姫様
「そう言えば泉、どうしたの?何か用事だった?」

時計にもう一度目を向けながら、「今更か…。」と自身を窘める。

「あぁ…うん。ちょっとね。
折角の休みだったし、梅雨李に用事が無ければ会いたいなって…思ってさ。」

やはり今更だったか…。
長時間眠りこけていた自分に舌打ちしたくなる思いだ。

「ごめんね。早くに連絡気付けなくて…。」

「あのさ、梅雨李さえ良ければ今からそっち、行ってもいいかな?
少しでいいんだ。」

泉の提案にドキリと心臓がなる。
二人きりで会うなんて珍しい事ではない。
だけど、この瞬間は何度重ねても慣れそうになかった。

「うん、勿論。
気を付けて来てね?」

私の承諾に、はっきりと分かる様に泉の声色は明るくなった。

直ぐに行く、と言い残して電話は切れた。

通話が終了したままのスマホを握りしめたまま、その愛しい余韻に沈んでしまいそうだった。
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