僕の可愛いお姫様
宣言通り、泉は直ぐにやって来た。

電話が切れた後、甘い時間に沈みかけるも、爆睡していたんだと思い出し、鏡の前に走った事は、言うまでもない。

少しだけ寝癖のついた前髪を押さえながら、鳴らされたインターホンに応える。

魚眼レンズで彼の姿を確認して、ドアを開ける。


前髪を押さえたままの私に、泉は綺麗な顔でにっこりと笑って見せた。

「どうした?頭痛いの?」

訊きながらも、理由はお見通しらしい。
そっと私の手を除けて、柔らかく笑う人。

「可愛い。」

シンプルな彼のその言葉に、私は俯くしかなかった。
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