僕の可愛いお姫様
部屋に招き入れ、ソファを勧める。
一人暮らし用の、薄いピンクの小さなソファ。
一人暮らしを始めた時、雑誌なんかで見かけるお洒落な部屋に憧れて購入した物だ。

「お洒落な部屋」で一番最初に浮かんだのが「可愛いベッド」と「可愛いソファ」という安易な考え。
大きなソファは部屋を占領するから流石に置けない。

大きさに迷いながら購入した小さなソファ。これが割と気に入っている。

一応二人掛けだけど、二人で座ったらやはり少し窮屈だった。

理由は簡単。
片方が片方に寄っているから。
そうして反対側には、余分なスペースが残っていた。
それがおかしいとか、煩わしいとか、どちらも思っていない事が心地良かったし、「そうしていない」事の方が不自然にも思えた。

肩と肩が触れている。
チラリと彼を盗み見れば、目が合ってしまった。

泉も私を見ていたのだろうか。
少し気恥ずかしくなって、薄く笑って見せた。

そのままギュッと抱きすくめられる。

「会えて良かった…。」

私の肩に顔を埋める泉。
息が直接伝わって、くすぐったい。

赤子をあやす様に、背中をぽんぽん、としてやる。
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