僕の可愛いお姫様
私になら泉を救えるとか、そんな大それた事を思ったわけじゃなくて、
私となら君が笑ってくれるかもしれないって自惚れなら少しはあった。

世界だとか世の中だとか、膨大なものを敵に回しても、なんて事を思えるくらいには、私は自惚れていたのかもしれない。

彼が笑ってくれなくても傍に居てさえくれれば、この世界に居てさえくれればなんて、私は純粋にも大人にもなれないけれど、彼が居ない毎日ではもう生きていけないなんて本気で思いながらも口に出来ない気恥ずかしさが、私を思い留まらせていた。

なのに、彼は…

「梅雨李に出逢って救われた。
梅雨李が居ない世界なんて、もう恐怖でしかない。」

そんな事をサラリと言ってしまうんだ。

抱く腕に力を込める。

それに応える彼。

愛しい。その感情が躰中を支配した。
このまま呼吸が止まってしまっても、私はきっと後悔しない。
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