僕の可愛いお姫様
玄関で招き入れた時に見た彼女は、その大きく丸い目を赤く腫らしていた。

やっぱり…。
ひとりぼっちでずっと泣いていたんだ。
そんな時に、私は自身の幸せを優先させて、親友を蔑ろにしていた。

今も俯いたままの莉世を見つめながら、己の不甲斐なさに、奥歯を強く噛み締めるのを感じた。

と、同時に、こんな事では駄目だなと思う。
昨晩のメールが本当なら…、いや、今の莉世を見れば事実なんて一目瞭然なんだけど、

「決別」
それが二人の本心ならば、今私が嘆いている場合ではないのだ。

泣きたいのは、叫びたいのは莉世なのに。
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