僕の可愛いお姫様
「美味しい。」

一口飲んで、莉世が深く呼吸をしたのが分かる。

「アップルティー。梅雨李らしいね。」

「ん。あったかい飲み物、うちにはそれしか無いから。」

「梅雨李らしいね。」

李世は小さく笑って、またアップルティーを口に含む。

いつもの快活な彼女は、そこには居なかった。
別人になってしまったみたいに、「莉世の入れ物」に入った「誰か」なのでは、と疑う程、目の前の人間は別人だった。

こんな時でさえ、いつもの自分でいろという方が無茶だけど…。
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