僕の可愛いお姫様
運ばれてきたアップルティーに、
「何だ。梅雨李も結局ソレじゃん。」と不満気に莉世はこぼした。

カップを両手で持ち、一口飲み込む。
猫舌の私は、その温度にビックリして、舌先ではただ熱のビリビリとした感覚が残り、味など認識していなかった。

もう少し冷めるのを待とう。

ゆっくりとカップを置いて、莉世を見る。

ストローを咥えたまま目を合わせてきた彼女に、話の続きを促す。

「何か用?」とでも言いたげな莉世を、完全に無視して。

話題から逃げたい時の、とぼけた様子の彼女にはもう慣れている。

ただ莉世を見つめたまま、相手が怯むのを待っていた。
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