僕の可愛いお姫様
「正直に言うとね、最初は、あぁ、『最初』っていうのは、高校生の頃ね。
瑞穂が梅雨李を好きだって気付いた時、『どうして梅雨李なのよ』って、私は確かに思ったの。

同じタイミングで出会って、殆ど同じ時間を過ごして、私は瑞穂を好きになった。梅雨李は瑞穂を好きにならなかった。
梅雨李とだってずっと一緒に居たんだもん。
梅雨李の気持ちが瑞穂に無い事くらい知ってた。それはもう、これっぽっちもね。」

親指と人差し指で「少し」を現して、莉世は悪戯っぽく笑う。
つられて私も笑った。

一旦息をついて、グラスの中のお冷を莉世は飲み干した。
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