僕の可愛いお姫様
「瑞穂が梅雨李をどうしても好きな事への諦めは、案外…思ってたよりも直ぐについたわ。

一番苦しかったのはね、
『何で私は瑞穂が好きで、どうして梅雨李が親友なんだろう』って事。

梅雨李が親友じゃなければ、瑞穂が好きになった人が梅雨李じゃなければ、私はきっと、どんな手でも使ってた。
瑞穂さえ手に入れば、瑞穂さえ、私に振り向いてくれれば、って。

酷いと思わない?
『これも運命なのか』って悟ったふりしたって、心が追いつかない。
理屈じゃないのよ。

本当に大切な恋と、本当に大切な親友。
どっちを失えって言うのよ…。
選べるわけないじゃない…。」

莉世の涙声に、とっくに気付いていた。
だけど完全に悟ってしまえば、けれど私はかける言葉を持たない事を解っていた。

ただただ俯き続けて、莉世の声をジッと聞いていた。
< 89 / 227 >

この作品をシェア

pagetop