ラスト·ラン~マラソンで~【TABOO】
「仕方ないな。俺のペースに合わせろ」
「芹澤先生?」
「鳥井は今回がラストランなんだろ?」
「わかりません。けど、大学では陸上部には入らないつもりです」
「高校生最後のラストラン。後悔だけはするな。最後まで走れ。楽しんで走る。それでいいんだよ」
「はい」

最後まで、芹澤先生に助けられてばかりだ。

「それと…」
「それと?」
「お前の気持ちに応えれなくてごめんな。教師として、鳥井の幸せを祈ってるから」
「芹澤先生…ありがとうございます」

頬に優しくキスをして、芹澤先生はペースをあげた。

一年生の時、心結は芹澤先生のことが好きで、バレンタインに『好き』ということを伝えた。勿論、想いは叶わなかったけれど、先生·コーチとして慕うのはずっとしていた。
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