◇桜ものがたり◇

「お爺さま、優祐さんは、この桜河家の大切な後継ぎでございます。

 そのようなことはできません」

 祐里は、心が張り裂けそうになりながら、きっぱりと反論する。


「それならば、祐雫にするか。

 神の守は、男子とされているが、今から鍛えれば、

 賢い祐雫であれば務まるだろう。

 祐雫の気の強さは、そなたの芯の強さを引き継いでおるからな」

 八千代の言葉は、神の森の言葉と呼応して、

 祐里に選択の余地を与えなかった。


「祐雫さんとて、桜河家の大切な娘でございます。

 そのようなことはできません」

 祐里は、必死になって、我が子を守ろうとして断言する。

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