たまごやき
「もう!
ほら、会社遅刻しちゃうよっ」
気づけば出勤時間
あわあわと繭がハンガーにかけてくれていたスーツを着る
「んじゃ、行ってきます!」
「行ってらっしゃい」
いつも優しい笑顔で繭は見送ってくれる
俺はこの笑顔が大好き
少し寝癖がたった髪で俺は早歩きで駅に向かった
駅まで歩いて10分
けっこう近い距離である
ホームに立つ
まだ電車が来るまで余裕があるな
携帯でもいじっとくか…!
とスマホを取り出し
なれない手つきで繭に行ってきますとメールを打つ
「ふー…」
と顔を上げて向かいのホームに目を向ける