ポケットに婚約指輪

繰り返される激しい刺激が、私の息を荒くする。
抵抗する声を出してる隙間もないくらいに攻められて、体からは気力が抜け出ていく。

舞波さんは上手だ。
少なくとも、私の弱い部分はよく知っている。
声を出そうとするとキスで塞ぎ、快楽で思考を絡めとる。

確かに今更だ。
そんな風にも思ってしまう。

こんなに簡単に骨抜きにできるくらい、舞波さんは私を知ってるんだもの。

あの時期だけで見れば、私のほうが江里子よりずっと一緒にいた。

私が彼を癒してた。
それにどれほど優越感を味わった?


「好きだよ、菫」

「んっ、はあっ」

「愛してるよ」


信じれば楽だ。
例え今だけでも。

この言葉を信じれば、今だけは私は一人じゃない。

足を撫でていた彼の手が、スカートの中に忍び込む。


「触っていい?」


触られたらばれる。
私がどんなに感じてしまっているか。
不倫は嫌だなんて、キレイ事を言ってるだけってことを。

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