赤き月の調べ
所定の場所に雑誌を置いた希空は、三つ目の段ボールをあけた。
中にはハードカバーの本が、ぎっしり入っている。
人体の不思議、薬として使えるハーブの栽培法、絶滅危惧種大全。
すべて取り寄せ注文の本だ。
引き出しから注文書の貼ってあるノートを出して、取りに来る日をメモ用紙に書いては、日付がわかるように本に挟む。
作業が終わるころに、時計が十一時を知らせた。
同時に、警備室の方でシャッターを解除したのか、シャッターが開く音が店内に響く。
ゲーム販売店やCDショップと違い、開店と同時に入ってくる客はいない。
そのため、希空はのろのろと段ボールを畳んで、物置に片付けた。