赤き月の調べ
「パーティーの出席者は、店の会員なんだから明日は誰も来ないでしょ。それに……希空の出席に関しては、社長と店長である私の命令だからね」
「それって、少し横暴すぎない? パワハラって言葉知ってる?」
「なんとでも言いなさい。明日の午後十時に迎えに行くから、ちゃんと用意しといてね」
「……仮にワンピースを着て行くとして、あたしはそれに合う靴も鞄も持ってないけどいいの?」
パーティーをぶち壊してやると仄めかしたけれど、電話の向こうから聞こえてきたのは、嬉しそうな笑い声だった。
「それなら大丈夫。ワンピースと一緒に、それに合う靴も鞄も買っておいたから」
頭に血がのぼっていて、リマが抜かりない性格なのを、希空はすっかり忘れていた。
急いで段ボールのガムテープを剥がして、中を覗いてみると紙袋が三つ入っている。
それも、ブランドのロゴが入った紙袋だ。