甘い蜜
凛と店を出て向かった先は、すぐ近くのコンビニ。
「あ、晩ご飯も買おーっと」
煙草だけのつもりだったけど、コンビニ弁当の陳列棚が目に入った。
ーーーどうせ、今日も1人でご飯だし。
でも、あたしは弁当を触ることすらできなかった。
何故か、凛に阻止されたのだ。
あたしの腕を掴む、凛。
「え、何?」
「…ここの弁当おいしくないじゃん」
何か、様子がおかしい。
コンビニ弁当なんて、凛と何回も一緒に食べてるのに。
今更おいしくないから、なんて。
ーーーなんか、企んでる?
結局あたしは凛に言われるまま、煙草だけ買ってコンビニを出た。
すると外には、
「おつかれー!」
手を振る智哉の姿。
その隣には、翔琉もいる。
ーーーどういうこと?
あたしの後にコンビニから出てきた凛は、
「おまたせ」
と言って、智哉の元へ駆け寄った。
ーーー企んでいたのは、この事か。
あたしは一瞬にしてわかった。
翔琉は今日もアフターに誘わない、と予想して4人で出掛ける事にしたわけだ。
凛と智哉の作戦会議は、ここまで考えていたのか。