甘い蜜
「そういえばさ、凛と雅ちゃんって店で知り合ったの?」
智哉の一言で、あたしと凛の話題になった。
凛は頷きながら、
「小さくて可愛いみーちゃんに一目惚れしたのは、あたし」
と、嬉しそうに話してくれた。
ーーーあの時の事は、今でも覚えてる。
凛に初めて話しかけられた時、嬉しかったんだ。
「でも初めは怖かったけどね」
あの時凛は今より化粧が濃くて、あたしは怖かった事も覚えてる。
「怖くないよ!優しく話しかけたもん!」
口を尖らせて反抗する凛に、あたし達は笑った。
「あーでも、わかるかも。
中学の時、凛には近寄りにくかった」
智哉も笑いながら口を挟む。
「なにそれー。真面目だったよ、あたし」
凛は頬を膨らませながら文句を言った。
それを笑って受け止める智哉。
ーーー智哉も、凛のこと…。
なんて思ってしまうくらい、智哉は凛に優しい笑顔を向けていた。