Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】
「宮向井君ですね、
どうぞこちらへ」
そうやって手を差し出す。
「紫綺(しき)様、紫蓮(しれん)様」
そうやって口にしたのは理事長。
滞在する人物が
俺にはさっぱりわからない。
だが紫綺・紫蓮と言う名前にも
学院にとっての伝説のメンバーの中に
聞き覚えがあった。
そしてもう一人、部屋の片隅に、
同じように座っているのは
良く見知った顔。
裕先生と裕真先生。
二人もまた穏やかな笑みを携えながら、
その理事長軍団と会話をしつつ、
唯ちゃんの方にも、
俺の方にもその視線を向ける。
何?
この空間……。
「紫音(しおん)、
ゲストを紹介してくれるかい?」
「そうですね。
彩紫(さいし)」
その名前も伝説の名前。
そう呼ばれた、
紫音の姿をマジマジと見つめる。