Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】




「伊集院紫音
 (いじゅういん しおん)」



思わず大声で
名前を呟いてしまった。




「紫音、有名ですね」



なんて理事長は呑気に呟く。






伊集院紫音と言えば、
学院出身の世界的有名なピアニスト。



ってことは、その隣に居るのは、
伊集院さんと時折演奏してる、
エルディノさん?





そう言えば去年受けたコンクール。



審査員の中に、
その名前があった気がする。




突然現れた、
有名ピアニスト二人の存在に
俺のテンションは、
自分でもコントーロールがきかない。





落ち着け俺。




その場で何度か深呼吸をして、
緊張しながら腰掛けたソファー。



その場に居合わせた人たちも、
ゆっくりと腰掛けた時、
エルディノさんが言葉を紡ぐ。






一言一句、漏らさないように
聞き取ろうとしたものの
俺には聞き取れないイタリア語。


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