輝く光の中で
新しい生活 side アルフレッド
マリーのお陰で、少しは元気を取り戻し、9月に入って
漸く、ギブスも外れ、食欲も戻って来たので、退院した。

「アル、もう戻って来るなよ!」と、フェリックスが言い

「あぁー、解ってる。今度、皆で、俺の退院祝いでもするか?」

「おーいいねー、連絡、待ってるぞ!」

「おぉー、またな!」と、病院を後にした。

久しぶりの外は、天気も良く、美しい街並みを見ながら、
考えていたのは、ただ万梨阿の事だった。

「この景色を、万梨阿に見せてあげたい・・・」そう、心に思った。

屋敷に、戻ったら、マリーが出迎えてくれた。

「お兄様、お帰りなさい! お待ちしてましたわ」

「ありがとう。マリー。すまなかったね、長い事留守にして」

「いいえ、お兄様が元気になられるのが、一番ですから
 お父様たちもお待ちですよ。」

「父上達も、来ているのか?」

「はい、いらっしゃってます。リビングにいきましょ!」

俺はセドリックとエリオットを連れて、父上達の待っている
リビングに向かった。


「ただいま、戻りました。」

「「おかえり(なさい)」」

二人は、笑顔で迎えてくれた。

「皆には、いろいろとご心配とご迷惑をかけてしまい
 申し訳ありませんでした・・・。」

「気にするな・・・それより、例の娘の件なんだが・・・
 ダニエル、報告を!」

「はい」と、父の側近が報告し始めた。
< 115 / 239 >

この作品をシェア

pagetop