輝く光の中で
別荘での時間
元老院達からも、認めてもらい、私とアルと輝は、宮殿を出て
帰りは、少しドライブを楽しんだ。

クレメレンに着いてから、全く観光もしてなくて、今日初めて
この国の大まかな観光名所を見せてもらった。

アルは、王子だとすぐにばれるので、サングラスをかけていたが
すぐに、『王子様だ』と、ばれてしまい、ばれては、そそくさとその場を
退散する、という事の連続だったが、楽しかった。

輝も、一日一日と、元気になっており、ますますアルにくっ付いて
離れなかった。

アルも本当に嬉しそうで、その顔を見ると、ちょっと切なく
なってしまった・・・・。

「どうした、万梨阿?疲れた?」

「ううん、違うの。輝がこんなにアルに懐くなんて、思っても
 いなかったのと、そんな事なら、あのままイギリスで、頑張れば
 良かったのかな?って思ってたの。
 そしたら、輝が産まれる時や、小さい時の輝の成長を、見せて
 あげられたのに・・・・。ごめんなさい・・・アル・・・」

急に、涙がこみ上げてきた。

「万梨阿、今迄の事は、誰のせいでもないんだよ。
 今は、もう過去を振り返るより、未来を一緒に進むことが
 大切だと思うよ。
 それに、子供は、輝一人で終わりじゃないだろ!」

「・・・・・アル、ありがとう・・・・」

「万梨阿、愛してるよ」

三人で、車を走らせたこの時間は、本当に楽しい時間だった。
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