輝く光の中で
「アル、どうかしたの?離して欲しんだけど・・・」

「嫌だ。万梨阿、昨日、一緒にホテルにいた男は、彼氏か?」

「へぇ?・・・・昨日?・・・男?・・・・」

「あぁー、仲良さそうに、コーヒー飲んで、その後、部屋に
 行ったんだろ!?」

「あぁー、えっ、アル、あのホテルに居たの?・・・とにかく
 離してくれるかしら?これじゃ話も出来ないでしょ?」

漸く、アルは、私を解放し、私はお茶を淹れたカップを持ち
リビングに行き、ソファーに座った。

「昨日、会っていたのは、私の兄の智よ。土曜日、アメリカから
 日本へ帰国する途中で、私の顔を見に来たのよ。
 これで、理解してもらえたかしら?」

「お兄さん・・・・。ごめん。てっきり日本に残してきた
 彼氏かと思った・・・・。」

「私は、付き合っている人はいないわ・・・。お茶、冷めない
 うちに、飲んでみて・・・口に合うかわからないけど・・・」

「頂きます・・。ん、美味しい。へぇー、これが日本のお茶?」

「そうよ。まだいろんな種類があるけど、これは、代表的な
 煎茶よ。」

「うん、美味しいよ。ところで万梨阿、今付き合っている人
 いないの?好きな人は?」

「付き合っている人は居ないわ。好きな人は・・・・・・」

私が、答えるのを躊躇っていると

「万梨阿、君が好きだ・・・。付き合って欲しい。ダメか?」

「・・・・・。アル・・・。」

まさか、告白されるなんて、思ってもみなかった。

正直、アルに惹かれている自分がいるのは、感じていた。

でも・・・、付き合うとなると・・・・・。
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