輝く光の中で
Side アルバート

早いもので、季節は6月になっていた・・。

もうすぐ、万梨阿と離れなくてはならない・・・・。

苦しい。息も出来ないほど、胸が痛む・・・・。

俺は、来月の自分の誕生日に旅行を計画した・・。

万梨阿との交際は、常に秘密であったため、二人でデート
らしきものもしてこなかった。

本当なら、映画を見たり、レストランで食事をしたり・・・と、
恋人ならではのデートをしたかったのだが・・・・。

なら、最後に、万梨阿を連れて、ロンドンから2時間ほどで行ける
『コッツウオルズ』に行こうと計画を立てた。

この町は、まるで絵本の世界にいるかのような、綺麗な町である。

俺も、一度は行ってみたかったので、レンタカーを借りて
時間に囚われない旅行にしようと考えた。

セドリック達は、「最後の思い出を作って来い。俺達は、その間
引っ越しの準備をしておくから。」と、快く承諾してくれた。

万梨阿に、旅行の件を話すと、とても喜んでくれて、早速
ガイドブックを買ってきていた。

この旅行は、二人にとっての大切な思い出作りのほかに
もう一つの目的があった。
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