愛して

昔から僕_片貝泪(カタカイ ルイ)の愛は受け入れられなくて。


「ごめん、私、そういうのムリ。束縛しないでよ」


好きな子たちは、皆そういって去っていった。
僕は、好きな子に対してすごく心配症だ。
好きな子が他の子と喋っていたらすごく気になるし、好きな子が行ったところ、部屋、メールのやりとり…すべて気になってしまう。
でも、それを全て聞いていくうちに、嫌われてしまって。
皆去っていった。

そんなとき、僕が縋るのは、決まって一人の人物で。


「また、フラれたの?馬鹿だなあ」


自分より、二つ上の友人、寿博人(コトブキ ヒロト)。
いつも、僕が何かあったとき、何でも相談に乗ってくれる。


「だって、気になることは気になるんだもん」


「言っとくけど、それがお前の欠点だからな。まあ、その欠点も受け入れてくれる人に会えるといいな」


と言ってニカッと笑うと優しく頭を撫でてくれる。
その度に安心できて。
僕は、きっと、どんなに女の子にフラれても、博人がいれば、生きていける。
ずっと、この関係が続くと思っていた。


そう、あの事件があるまでは__。

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