少年少女と恋愛観察
「寧…」
「おー、北条、おはよ。」
私の隣の席の水無瀬(みなせ)君が、密に元気に挨拶をする。
「おはよう。」
密は案の定、無愛想に応える。
それが人見知りのせいなのか素なのか、私にはあやふやだ。
「稲葉さんも、おはよー。」
名前を呼ばれ、私も笑って挨拶し返す。
「おぉ、北条、
今日も、イチャイチャしてんねぇ!」
次に現われたのは、密の隣の席の六条君。
彼は水無瀬君と仲が良いらしい。
密はチラリと彼を見やり、眉を顰めて「おはよう」と言う。
「無愛想ねぇ、密。」
思わず笑うと、密は私の頭をクシャっと撫でた。
それを見ていた水無瀬と六条は、感心したように「ホホ」と声を上げた。
「何よ。」
私が軽く睨むと、彼らは何を思い付いたのかお互いの頭を撫で繰り始めた。
それを見て、私は噴出した。
