少年少女と恋愛観察
「…なっ、よ、余計なお世話だ!」
たかが高校生の言動一つ一つに振り回されっぱなしな新米教師を見て、私は満足する。
「おい寧大丈夫なのか?」
声を辿って顔を上げると、四辻の隣には密が心配そうに立っていた。
「大丈夫じゃないし~。
アンタがねえ…」
「うんうん。悪かったよー!」
話の途中で遮られ、私はキッと密を睨む。
そこで案の定、空気の読めないドンな新米教師は、顔を綻ばす。
「おう、何だお前等、青春か~?」
気持ち悪いほど整った顔をニヤニヤさせ、私に向かって肘を突く。
「先生~、もっと先生らしくしてろよなあ。」
密は呆れたような口振りで、自分よりも背が低い教師の頭を撫でる。
そこで私は思わず噴出してしまう。
周りを見やると、何人かの見物していた生徒も笑い出した。
「ちょっとお前、何教師の頭撫でてんだよ?!
ちょっと身長が俺より高いからって、調子乗るなよー!」
四辻は今度は密に向かって肘を小突く。