少年少女と恋愛観察




「先生ったらぁ、
それだから生徒になめられるのよぉ、
ねえ?」

私は形振り構わず階段を上っていた生徒に対し声を掛けてみた。

するとその男子生徒は酷く驚いたような表情を作り、顔を赤らめさせ、軽く頷いて見せた。



「…お前、ビックリさせるよなぁ。」

四辻はマジマジと私の全身を嘗め回すように見る。

「やぁだ、
変態教師みたい!」

私は勢いよく四辻の背中を叩いて、密の腕を掴み階段を上る。


「先生、また後でねー!」

随分駆け出した後で後ろを振り向き、四辻に向かって手を振る。

「おう」と答えた先生は、他の学生に話を掛けられていた。



「…寧、随分フレンドリーだなぁ。」

横を向くと密がムスッとしたような表情をしていたので、私は眉を顰める。

「へん、
何よ、文句でもあんのぉ?」

てっきり密は笑ってくれると思ったが、
思いの外彼は掴まれた腕を放し、そっぽを向く。


「え、何よ…。」

冷たい反応を示す密を見て、私はムカムカする。



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