少年少女と恋愛観察
耳元で甘く囁かれたのは置いといて、
こ、こいつは、何を言い出すの!
「何言ってんの!
考えてないわよ!ひ、密こそ…」
「大丈夫、
俺、寧が俺の事好きだって知ってるから。」
チュッと音を立てて、密は私の耳にキスをする。
「キャアッ!!
ちょっと…、な、何してんのアンタ…?!」
一気に顔を青ざめ、私は密の腕から逃れようと抵抗する。
周りの視線が刺すように痛くて、眩暈を感じる程気まずい。
密を睨みながら声を忍ばす。
「ちょっと密、アンタ…
何でそんなにちゃらんぽらんになったの?!」
「ちゃらんぽらんって何さ…。」
「いい加減で無責任な事よ。」
「いや、それは分かるよ…。てか意味を聞いた訳じゃないから。」
微妙に噛み合わない会話で、密は溜息を零す。
「…腕、離さんかい…。」
「ええ、ヤダなぁ。」
そう言いながらも、彼は渋々腕を外してくれた。
「俺はね、別にチャラい訳じゃないよ。」