Garnet~大好きの伝え方
私は、目だけは絶対に、一瞬足りとも離さず、こっっっくりとうなずいた。

「そっか。……よかった」

と、ヨシもうなずく。そして、そっと前へ向いた。

背中しか見えないけど……

たぶんヨシは今、ものすごい顔で北川くんを睨んでる。

私に向いていた時とは、仏さまと鬼くらいの差がある。

そんな、予想よりも強い確信があった。

「北川……」

ほら、やっぱり。

聞こえた声が、まるで火の粉でも吹き散らしながらみたいに、おどろおどろしい。

ヨシの頭に角が、口には牙が生えていると言われても、信じられる声だ。

だからこそ――

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