花火~散る記憶~



「繭!!どうした?!」






あっくんが遠くから走ってくるのが分かった。


涙が視界を邪魔して、あっくんが汗だくなんて知らなかった。





「ごめん…繭が外行くの見えて追いかけたら……あれ安堂だよな?何話してたんだ?」






ダメだって分かってても、あっくんの優しさに甘えていまう。







「巧弥くんに…婚約者……ぅっ…」



あっくんは何も言わずに、ただ私を抱きしめた。







あっくんは私の事をまだ好き。
それは気付いている。


だからこんなことしてはいけない…
けど今は何も考えられなくなっていて、あっくんにキスしてしまった。





「繭…っ」





あっくんもそれに返す。
何度も何度も繰り返した。


私何きてるの?これで気持ちが収まるとでも?





バカ……分かっててやるなんて、最低。

何が正しくて何が悪いのか、理解できない自分に腹が立った。







ただーーーーーー今の自分は、最低だって事だけ分かった。









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