花火~散る記憶~
「あっくん…私」
「いい、分かってる。俺の事好きじゃなくてもいいから、今は俺に甘えてろ」
あっくんにこんな事言わせるなんて、どこまでどうしようもないのよ…私……。
絶対今、あっくん傷付いてる。
暗くてよくわからなかったけど、少し月明かりで見えた。
切ない表情をしていた。
私が悲しむと、あっくんも悲しんでくれる。
私が笑うと、あっくんも笑ってくれる。
ーーーーあっくんみたいな優しい彼氏が、女子の理想なんだよね。
でもどうしても、何でかな…私は婚約者ができた巧弥くんを想っている。
全然諦めなんて、ついていない。
あんなに酷い言葉をもらっても、まだ気持ちは少しも揺らいでいない。
いつか忘れられたら………なんて、考えられない。
私は巧弥くんを忘れたくない。
もし、巧弥くん以上に好きな人が出来たとしても 私の心のどこかで、巧弥くんがいる。
巧弥くんも…そうだったらいいな。
婚約者か……。
自業自得、自業自得。
そう言い聞かせる事しかできない。
「夜風が冷たくなってきたな…中に入ろう」
そのまま私達は、中へ入った。