キスマーク
「ねぇシオリさん、シオリさんも本当は俺の事好きなんでしょ?」
「なによ、それ……」
「抱き合う回数を重ねるたびに、シオリさんの身体から“好き”って気持ちが伝わってくるから」
「―…自惚れないで」
本当は見透かしてるっていうヒロの視線。
やめて、と思う。
「会ってやるだけの関係じゃない……」
それだけよ、とヒロを見る。けど、
「そう仕向けているのはシオリさんだ」
そう言われて、ビクンッ、と身体が震える。
ヒロの言葉一つ一つが私を覆っていた膜を一枚一枚ゆっくりと剥いでいく。
どうすればいいの?
このまま剥がれていくのを止められない。