冷たいアナタの愛し方
少し酒を呑み過ぎたジェラールは、頭がふらふらしつつもベッドから降りると1階へ行って見回した。


陽が上って本来なら起きている時間帯にオリビアがいつものように騒々しくしていないので気になってベッドに近付くと――

オリビアはぐっすり眠っていた。

オリビアの傍らにはもちろんべったり寄り添っているシルバーの姿が。

目が合うときゅうんと鼻を鳴らして心配そうにオリビアの手をぺろりと舐めた。


「おい起きろ。起きて俺の朝食を作れ」


「うぅーん…頭…痛い……」


「あれだけ飲めば頭位痛くなる。二日酔いになったのか?」


むっつりしたままジェラールがオリビアを見下ろしていると、オリビアはずきずきする頭を押さえながらなんとか身体を起こそうとしていた。


そこで、ジェラールはオリビアの僅かな異変に気が付いた。

オリビアのつむじをじっと見つめていると、髪の色がところどころまだらになっている部分を見つけたのだ。


…金茶に見える。

全体を見ればアッシュブラウンなのだが…この色は…見たことがある。


「お前…髪を染めているのか?」


「…えっ!?なに言ってるの、染めたりなんかしてないわ!…あ、私の髪の色を笑いたいのね?どうせ瞳の色も髪の色もまだらよ。あなたに関係ないでしょ」


つっけんどんに返されてむかっときたジェラールは、のしっとベッドに上がってぎょっとしたオリビアの手首を押さえて押し倒すと、唇が触れ合いそうな距離でねめつけた。


「関係ないだと?俺の離宮でのうのうと暮らしておきながらよくそんなことが言える。あまり俺を軽んじると痛い目に遭わせるからな」


「い、痛い目って何よ…」


――間近で見ると、やはり金茶の瞳も見たことがあるような気がした。

オリビアは真っ青なジェラールの瞳の色に吸い込まれそうになり――

ジェラールは、金茶のオリビアの瞳にあの娘の残像を見ていた。
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