冷たいアナタの愛し方
あまりにも想像できないジェラールの反応に唖然としたオリビアが固まってしまうと、シルバーは二本脚で立ち上がって階段の前で立ち塞がった。

元々大きな身体なのに2本脚で立ち上がると2mは簡単にある。

はっとなったオリビアはシルバーの両の前脚を持って支えると、不満げに喉を鳴らしている天狼のふかふかの毛並を撫でて落ち着かせた。


「な、何なのよあいつの反応…。まさかね…だって私たち小さな頃にしか会ったことがないんだし…」


「ぐるるる…」


「ああ、ごめんなさいもうこの話は考えなくていいわよね。だって私は…」


ルーサーが好きだもの、という言葉を呑みこんだオリビアは、ルーサーが用意してくれた淡い水色のドレスをバスルームで着ると、最近少しだけ上手になった料理に取り掛かった。


「ルーサーの分も作っていいわよね。早く来ないかな…」


ルーサーを想いながら卵を茹でていると、ドアがゆっくり開いた。

まるで警戒するような速さだったのでオリビアが手を止めて見ていると、顔を出したのはもちろんルーサーだった。


「あ、あの…ルーサーおはよう」


「!おはよう。…よく眠れた?」


「ええ、昨晩はお酒を呑み過ぎちゃって実は二日酔いみたいに頭が痛いの。どうやったら治るのかしら」


「いい薬を知ってるから後であげるよ。……じゃあ昨晩のことは覚えてないの?」


手にはしっかり剣を握っているルーサーの手元にちらりと目を遣ったオリビアは、何故そんなに警戒しているのか訊ねたかったがとりあえず手を拭いて頭を押さえた。


「ほとんど覚えてないの。…あ、ジェラールなら2階よ。…しばらくは降りて来ないかも」


「え、どうして?喧嘩でもしたの?」


「喧嘩っていうか…し、知らないわっ」


微妙な空気が流れる。

胃もたれするような感覚に襲われたルーサーは、オリビアに笑いかけて2階へと上がった。
< 184 / 187 >

この作品をシェア

pagetop