冷たいアナタの愛し方
「リヴィと何かあったみたいだね」


「……何もない。妙に勘ぐるな」


2階に上がったルーサーは、枕で顔を隠してベッドで突っ伏しているジェラールを見て絶対何かあったのだと悟った。

元々からしてジェラールは次期国王としての評判が高く、女に困ったことがない。

だが本人の曲がった性格上言い寄る女には必ず裏があるという妙な哲学を持っていたので、冷たくした挙句遠ざけるのが常だった。


なので、女ひとりにこうも参っているジェラールをルーサーは見たことがない。


ルーサーは今自分が複雑な表情をしているのを見られなくてちょうどいいと思いながらソファに座って脚を組むと、ジェラールに聞こえるようにぼそりと呟いた。


「リヴィに夢中になってること…オリビアに言っちゃおうかな」


「!む…夢中になんかなってない!勘違いするな!」


「リヴィとオリビアって似てるよね。姉妹って言っていい位に。だから君の心が揺らいでるのもわかるよ」


「…さっきそうなんじゃないかって問い質したら…怒られた」


…とことん鈍感だ。

戦場では驚くべき判断能力で敵を欺いたり葬ったりで大活躍の男は、ごろんと仰向けになって天井を見つめた。


「本人に?聞いたの?それは…まあ…怒るよね」


「お前もリヴィかオリビアかどちらかを選べと言ったが…お前は余りものでいいのか?」


利発な弟。

今まで何度も羨んだことがあったがこの弟を超えることはできずに裏方に徹しようと心に決めた兄。


ルーサーは首を振って微笑んだ


「僕は両方とも好きなんだ。だからどっちでもいい」


本音だった。
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