「同じ空の下で…」
…朝、目覚めた時に、好きな人の寝顔を見て居られるほど、幸せな気分になれる瞬間って…ない。
このまま、時間が止まってしまっても構わないとさえ、思ってしまう。
長いまつ毛、鼻筋の通った鼻、男の癖にすべすべした頬、うっすら生えた…無精ひげ…、情熱的で整った形の…唇。
ふと、触れたくなって、瞬の唇にそっと右の人差し指で触れてみる。
普通、朝方の唇って私だったら渇いてしまっているのに、瞬の唇は少し潤っていて、昨晩と変わらずに、つやつやしていて驚いた。
触れた事に全く気付く様子もなく、瞬は小さな寝息を立てて眠って居た。
悪戯心に火がついて、柔らかくてココアブラウンの瞬の髪の毛に触れてみる。
そのまま、撫でるようにして手を滑らせ撫でて居ると、突然、
とてつもない幸福感を感じ、その頭を思わず両手で抱きしめ、胸に抱いた。
「……う…うん…?」
流石の瞬でもそれには驚いたらしく、私は慌てて手を離した。
「ごめん、…起こした?」
「…大丈夫。…おはよ、艶香。朝から、どうした…?」
寝ぼけまなこで私を見る瞬の瞳の奥。
「…なんでもない。衝動的な…行動。」