「同じ空の下で…」
本能に従って、野性に満ちたキスをする瞬の姿とは全く別人のように見えて来る。
「…艶香。」
「…ん?」
「…明日、仕事だもんな…?」
「…うん…。」
「俺、変だな…。」
「…なんで?」
「…朝まで、ずっとこうして居たいなぁって…俺、変だよな?」
「…どうだろ?」
また瞬は、私を鑑賞するかのような瞳で見つめながら、少しまだ乾ききってない髪の毛をすくい上げて耳に掛けた。
「…艶香が寝たら、俺、帰るよ。」
「え?」
「…寝顔を見たら、帰る…。」
「電車、あるの?」
「無くてもいい。歩くし…。」
「…うちに、居てもいいよ?」
「…眠らせないような気がするから、艶香が可愛そう。」
「…大丈夫、あたしは眠れるし。」
「じゃ、言葉に甘える・・・・てか、今日は甘えていいか?」
「いいよ。」
そう返事しながらも、その意味は良く理解してなかったけど、飽きる程に瞬が私に触れ終えると、どちらともなく横になって居て、いつの間にか、私が瞬の事を両手で抱き、胸に抱きかかえていた。
何かに怯え、寂しそうな子を守るような母の姿と言えば、そう思えなくもない。
静かに寝息をたてる瞬の寝顔を見届け、私も目を閉じ、眠りについた。
とても不思議な気持ちになった、夏の夜だった…────