noir papillon
何故皆そこまでして…
異様な光景に開いた口が塞がらないハルは目をパチクリ。
カナメを見上げどんな答えを出すのか心配になる。
「…ったく……」
4人の姿に頭をかくカナメは深く息を吐くと答えを出す為口を開く。
が、
「Bonjoul! Vous a l lez bien?(調子はいかが?) 哀れで醜い仔羊達?」
カナメの言葉を遮る女性の声。
聞き覚えのあるその声に皆顔を上げ振り返る。
「柴、架……!?」
目を見開き息を呑む。
柔らかく靡くモカブラウンの髪。
口の端を吊り上げ妖艶に微笑む人物。
其処に居たのは、其処に居るべきではない人物。
誰もが目を疑がったが、紛れもなく災厄の魔女、柴架そのものだった。