noir papillon


カナメの話を聞いた翌日、喫茶店soleilは静かな時が流れていた。



何時もなら早朝からお酒片手にほろ酔い気分のシンリだが、今の彼女は一切酒に口をつける事無くぼうっと遠くを見つめている。



タクミはそんな彼女に気づいているのいないのか、既に冷めた珈琲片手に無言で椅子に腰掛けていた。



閉じたパソコンの上に額をのせるリッカは微動だにせず、陽は昇ったばかりだというのにミヤビの姿は何処にも無い。







 ──逃げも隠れもする気は無い。この戦い、必ず勝利してみせる──



それが彼等の出した答え。
迷いも無く皆口を揃えそう言った。


災厄の魔女、柴架と真っ向から向き合うと。



そう答えた彼等は残された時の中、戦いの為に休養をとり精神を統一させ、更なる強化の為特訓に励んでいる。









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