この恋は、絶対に秘密!
「……ただいま……」



ガチャリと開く扉の音に消されそうなくらいの声で一応挨拶をしながら入ると、
振り返って私の姿を見たお父さんは目を見開き、ガタガタッ!と椅子を倒しそうな勢いで立ち上がった。



「瀬奈!!!」



これから始まるだろうお説教にすでにウンザリしつつ足を一歩前に進める。



「まったく、何処に行って……!!」

「瀬奈ちゃんっ!!」



安堵感と怒りが混ざったような顔をするお父さんが声を上げようとした、その時。

それを遮って誰かが私に飛び付いてきた。



「ちょっ──!?」

「よかった、戻ってきて……」



ギュッと私を抱きしめる、細いけれど女とは違う逞しい腕と、柔らかなキャラメルブラウンの髪の毛。

犬みたいに纏わり付くこの男は……!


< 115 / 387 >

この作品をシェア

pagetop